有限要素法や境界要素法のような解析ツールは、スピーカの設計プロセスでの設計支援に役立てることができます。これらの技術は、試作すると非常に高価になると思われる標準品でない部品を使って、革新的な設計改善の検討を可能にします。それにより、設計サイクルを加速することができます。さらに、これらの技術は、エンジニアが現象をより深く理解し、より効率的な設計改善ができるように支援する役割も持っています。
オーディオ分野での適用例 |
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スピーカ ボックスの共通の性能指標は、スピーカ前方軸上の任意の点における音圧対周波数応答特性です。周波数応答特性の理想は、一定の電気的な入力に対して周波数特性がフラットになることです。しかし、その結果に影響を及ぼす種々の現象があります。例えば、
設計者が、ある特定のシステムがある応答をすることの理由を理解してないと、新規のモデルは、徐々に改善されるだけです。この知識を得るためには、異なる現象を分離することが役に立ちます。これは、状況によっては、実験的に行うことができます。例えば、反射を無くした無響室を使用する。あるいは、端点での回析を除去するため半無響室(1つの堅い壁を備えた)を使用します。一方、解析的なアプローチは、完全な圧力場および構造的変形を可視化することができます。さらに、実験的に不可能なもの、例えばコーンの後ろの空気を取り除くとどうなるか、といった検討もできます。これらにより、システムの動作についての理解が改善されます。