適用例:FEM解析結果と実験値の比較 (スピーカ ドライブ ユニット)

Kelvin Griffiths BEng(Hons) MIOA
Research Engineer
Goodmans Loudspeakers Limited
goodmans
(このレポートの公表は、PACSYS社がグッドマン・ラウドスピーカーズ社から許可を得たものです)
下記の例は、スピーカ ドライブ ユニットのPAFECでの解析結果と実験結果を比較したものです。

オーディオ分野での適用例

従来のスピーカの設計では、等価回路を用いました。つまり、スピーカの性能は、類似した電気回路によって近似できると仮定しました。しかし、この技術が適用できるのは、スピーカが剛体のピストンとして動作する低周波に限定されます。スピーカは、高い周波数では、複雑な共振するシステムとして動作するので、異なった解析技術が必要となります。

PAFECは、スピーカ設計エンジニアにとって関心のある多くの実験的シナリオに有限要素計算を適用するため長年にわたって開発されてきたプログラムです。私は、スピーカの複雑な振動・音響的な動作に関連した問題に取り組むためにPAFECを用いて仕事を始めました。スムーサ等の特別なパフォーマンス特性やスピーカの周波数応答特性の拡張等、次々に出てくる顧客の要望に、物理的プロトタイプで対応することは、難しく、時間がかかり、かつ高価な仕事になります。

PAFECは、より賢いソリュージョンである、スピーカのバーチャル プロトタイピング プラットフォームを提供してくれます。典型的には、まず、調査中の物理的な部分を正確に表現する基本モデルを開発します。次にモデルの変更を行ないます。例えば、形状の変更や材料特性を変更し、代替の部品を表現します。これらの変更による影響は、以下で示されるような構造のアニメーションや周波数応答グラフ等の方法で観察することができます。

以下のアニメーションは、ピストンのように動作する領域で幾つもの周波数で励振される、一般的なスピーカ ドライブ ユニットで観察される共振構造を説明しています。PAFECの解析結果のアニメーションとレーザー・ドップラー振動計を用いて測定された応答の比較は、リアルとバーチャル システム間で一致することを示しています。周波数応答カーブは、音響性能に関してこれら個々の方式の効果を明らかにしています。

音響領域は、音響境界要素パッチを使用して表現され、それは、完全な連成解析を行なうために構造モデルとインタフェースがとられています。調査をすべき軽い構造物の上の流体の効果をモデル化する能力は、ソフトウェアの重要な特徴である、と経験は示しています。

スピーカのシミュレーションは、エンジニアがほとんどの実験の変数をコントロールできるので、良い学習の機会となります。しばしば、測定されたデータが収束しない理由は、スピーカ、計測、あるいはモデル化されたプロセスが完全に把握されておらず、さらに調査が必要ということです。

PAFECに関する私の経験は、スピーカ設計からマジックを無くすのに役立ちました。長い間抱いてきたスピーカの性能に関するいくつかの疑問は、PAFECを利用することで解明されました。グッドマン社のエンジニアリング・チームは、これらにより、高周波でのスピーカの性能の複雑さに関するより深い見識を得ることができました。

最初の比較周波数での結果

PAFECの結果


実験結果

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第二の比較周波数での結果

PAFECの結果


実験結果

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第三の比較周波数での結果

PAFECの結果


実験結果

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第四の比較周波数での結果

PAFECの結果


実験結果

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第五の比較周波数での結果

PAFECの結果


実験結果

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